『七頭の盲導犬と歩んできた道』

『七頭の盲導犬と歩んできた道』(学研)を読ませてもらいました。大阪の児童文学作家・沢田俊子さんの新刊です。
日本初の女性盲導犬ユーザー戸井美智子さんの、45年にわたる七頭の盲導犬たちとの物語。

沢田さんはこれまでに『盲導犬 不合格物語』『引退犬 命の物語』(共に学研)を出版されています。これは、沢田さんの盲導犬ノンフィクションの三冊目。盲導犬の歴史もよくわかります。
盲導犬が初めて日本に誕生したのは1957年。アメリカなどでは、すでに盲導犬が活躍していたというのに、日本ではやっと塩屋賢一さんが訓練したチャンピイ一頭が誕生しただけでした。
その塩屋さんから、主人公の戸井さんはオディーをもらい受けます。それは1964年の事だったそうです。チャンピイ誕生から8年の歳月がかかっています。さらに、盲導犬を連れて電車に乗れるようになるまでにまた何年もかかり、その後、バスやタクシーにも乗れるようになりますが、その歴史はひたすら待ち、待ち、待ち。ホテルや飲食店には、盲導犬を連れてなかなか入れなかったそうです。身体障害者補助犬法が施行されたのは、なんと2002年の事でした。(覚えています、ごく最近の事でしたよねえ)
私も、幼い時から(盲導犬ではありませんが)犬をずっと飼っています。私ももう何頭の犬と過ごしてきたでしょうか。犬がそばにいなかったら、乗り越えられなかった事がいくつもあります。
つらくて誰ともしゃべりたくなかった時に、ただ犬は黙ってそばにいてくれました……さみしくて泣いていた時にも、犬はそばにいてくれました。どんなに癒され、救われてきたか。盲導犬のかわりをもっと人間がするべきとか、あるいはこの先機械が出来るようになれば(盲導犬は)いらなくなるとか、そういう意見もあるようですが、私は盲導犬というものは特別で、目の不自由な人たちにとって、とても大切な存在だと思います。
作者の沢田さんは、最後に「あなたのランプの灯を、いま少し高くかかげてください。見えぬ人々の行く手を照らすために。」というヘレンケラー女史の言葉を引用し、自分のことだけではなく、まわりを見まわすことで、わたしたちにできることは、何かないでしょうか?どんなことならできるのか、お友だちや家族のかたと話し合ってみてください……と書かれています。
この一冊の本が、盲導犬の歴史を、さらに良い方向へ切り開いていきますように。
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by honnara-do | 2010-02-21 23:48 | | Trackback