『うたかたの日々』

岡崎京子さんの漫画『うたかたの日々』(宝島社)は、何年もわたしの書棚で眠っていました。
当時、本屋で平積みされていて、おもしろそうだと思って購入し、すぐに読んで「すてき」とため息をついたのですが、以後、書棚にしまったままでした。
静かに眠っていたようなその本を、昨夜、ふと読み返してみようと思ったのは、ほんの気まぐれです。

よかった〜!
読み返して、よかった〜!
昔、「すてき」とため息をついたのは覚えているけれど、あの頃はまだひよこちゃんでした。今の自分がそんなに成長したとは思えないけれど、あの頃よりは歳を重ねた訳で、だからこそか、昨晩すごく感動したのです。

ボリス・ヴィアンの原作。残酷さと無邪気さのバランスが危うくていいです。
莫大な財産を所有し、労働なんて馬鹿らしいと考え優雅に暮らす主人公コラン。その恋人でやがて妻となるクロエ。二人の暮らしは何不自由なくハッピーでした。コランの発した情熱の水蒸気が、小さなバラ色の雲になり、彼らをすっぽりつつんでしまうような幸せ。その雲は、中に入ると熱く、シナモンシュガーの味がしました。しかしクロエは、肺に睡蓮が巣食うという病に冒されてしまいます。そしてその病をきっかけに、コランの暮らしは、破滅へと向かっていきます。
幻想的な世界を、岡崎京子さんの感性で描いています。いいなあ。こういうの。
a0134889_21375845.jpg

岡崎京子さんは、家族と散歩中に交通事故に遭われ、今も休筆中です。一時は言葉を発するのも難しかったようですが、今はずいぶん回復されたみたいですね。岡崎さんのファンサイトをのぞくと、2010年。小沢健二さんのライブツアー「ひふみよ」5月24日中野サンプラザに、岡崎さんが来ていたという情報が。オザケンがライブのラストで泣きながら紹介したそうです。
[PR]
トラックバックURL : http://honnarado.exblog.jp/tb/10990388
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by honnara-do | 2010-07-17 21:36 | | Trackback