☆レビュー☆

御本を4冊、ご紹介いたします!

『江 浅井三姉妹 戦国を生きた姫たち』越水利江子・著 (ポプラ社)
浅井三姉妹は、織田信長の妹であるお市の娘、茶々、初、江。戦国という世に生きた美しい姫君たちです。その三姉妹の人生が描かれています。茶々、初、江も、政略結婚を受け入れて生きていきます。江は三度も嫁ぎ、三十二歳で、のちに三代将軍となる長男・竹千代を出産。嫁ぎ、子を産む……それは女の戦いだったのだと思います。戦国時代は男が主役のようで、決してそうではない。女にも女の戦い方があったのだと、この一冊が語っている気がしました。歴史はノンフィクションでありますが、やはり作者の色は出るもので、この一冊には越水利江子さんが書かれたことで、一本筋の通った女のかっこよさが〜
一番末の江を主役に物語は進んでいきますが、お市、信長、乱など、わたしの好きな人物たちのこともきちんと書かれていました。そこも、さすが越水利江子さん! 
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『クリスタル エッジ 決戦・全日本へ!』風野潮・著 (講談社)
クリスタルエッジ・シリーズの三冊目です。本格的フィギアスケート小説ですよ。
一冊目は、輪。二冊目は、葵。そしてこの三刊目の主役は、ついに和真です。
「和真のことは、いつ書いてくれるの」と心待ちにしていたファンは、きっと多いはず。素人ながら、もしかしたら天才?と思わせるスケーティング。桜沢コーチに見いだされ、親元を離れてスケートに打ち込む少年は、スケートと共に心も成長していきます。
全日本選手権の様子は、まさにはらはらどきどき。実際に競技を会場で見ているよう!フィギアスケートが大好きな作者の愛を感じます。
クールな王子様キャラの、瀬賀冬樹くんも良かった。
わたし、シリーズで一番好きな刊かも。

『イエローカートは☆ぼくらの旗印』沢田俊子・著(京都新聞出版センター)
sonic(ソニック)は、京都の電動車いすサッカーチームです。
脳性まひや、筋ジストロフィー、先天性ミオパチーにより電動車いすに乗っている少年たちは、車いすに体を固定して、転倒することもおそれず、ボールを追いかけます。主人公の雄也くんは、脳性まひで、生まれてから一度も自分の足で歩いたことがありません。家族や周りの人たちに守られて生きてきた彼が、サッカーチームに参加することには、勇気が必要でした。勇気を持つのは大変。けれどその勇気のおかげで、彼はかけがえのない友だちを得ます。おとなしかった彼の中に、みるみる自信や負けん気も生まれてきます。
チームプレーは、チームメイトを思いやれなくてはうまくいきません。障害のある仲間を、思いやる彼らのハートは、とても強くてやさしくて、ピュアです。
がんばれsonic!

『おじいちゃんが、わすれても…』大塚篤子・著(ポプラ社)
認知症を描いた一冊です。でも、しめっぽくなく、むしろなんてさわやかな……。
主人公の少女・杏(もも)が、認知症のおじいちゃんを受け入れ、よりそっていく姿に、作者のいやらしい意図のようなものは、いっさい見えてきません。大塚さんの、認知症を見つめる自然な視線が気持ちよく、作品全体がただ大きな大きな愛に包まれています。思わず本を抱きしめたくなるような、登場人物たちとハグしたくなるような感じでした。ラストの、テニスに打ちこんでいた杏のあっぱれな行動には、思わず拍手!
これは賞をとるのではと、みんなで話していたのです。そしたら、やっぱり。本年度の児童文芸協会賞に、選ばれましたよ◎
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by honnara-do | 2011-05-06 18:44 | | Trackback