レストラン・アラスカ

月一回の、母の受診日でした。
此花区、伝法にある病院まで、わたしが付き添うようになって、もう数年になります。病院なら、近くにいくらでもあるのですが、母が、そこの先生をとても信頼しているのです。わが家から、伝法までは阪神電車で二駅。駅から、さらに10分ほど歩きます。
遠いですが、そこの病院に通いたいというのが、母の意志なので。

いつも、わたしと母だけで行くのですが、今日は、父がついてきました。初めてのことです。父は、4月に脳出血で倒れ、右半身に麻痺が残ります。長い距離を歩くのはきついので、もったいないですが、タクシーで行きました。

受診後、父が「梅田に出たい」と言います。
ちょっとお昼ごはんを食べるのなら、わざわざ梅田まで出なくても……と思いましたが、「もうなかなか外出できないし、三人で外食するのも、最後かもしれない」なんて言うので、従いました。父が行きたかったお店は、「レストラン・アラスカ」で、梅田では阪神百貨店の中にあります。アラスカは、子どもの時から、家族でよく通った洋食のお店です。ここのポタージュスープは、どこのよりも美味しい気がします。

父は、オムライス。母は、かにクリームコロッケ。わたしは、シーフードグラタンを注文しました。ポタージュスープに限らず、ここのは何を食べてもはずれがありません。
それもそのはず、調べてみると、70年も歴史のあるお店で、数々の著名人にも愛されたようです。
山本為三郎氏、村山長挙ご夫妻。阪急の創立者小林一三氏、当時武田製薬社長だった武田和敬氏、大阪府知事であった柴田善三郎氏、ナショナル・シティ・バンクの大阪支店長であったチェンバレン氏、六代目・尾上菊五郎氏、新派の喜多村緑郎氏、水谷八重子氏、花柳章太郎氏らの師匠、川口松太郎氏、市川猿之助氏、作家の谷崎潤一郎氏、菊池寛氏、吉屋信子氏、慶應義塾大学学長・小泉信三氏など。
谷崎潤一郎の『細雪』の中にも 「ちゃうど時分時なので、アラスカへ誘ふ気なのだと察した貞之助…」と、描かれているそうです。『細雪』は、ずいぶん昔に読んだけれど、気がつきませんでした。谷崎潤一郎も、ポタージュスープを頼んだのかしら。
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by honnara-do | 2009-07-09 19:08 | お店 | Trackback