川村先生の魔法

恩師・川村たかし先生の告別式のため、奈良県の五條まで行ってきました。

わたしは、川村先生の梅花女子大学での最後のゼミ生です。
先生の授業を受けたのは、たった一年でしたが、それはとても濃い一年でした。
授業では、短歌や俳句、エッセイ、家族のスケッチ、それから三枚童話、十枚童話などを書きました。児童文学を教わったというより、文学という大きなものの楽しさを教わった一年でした。
川村先生は、よいものは褒め、おもしろくないものはおもしろくないとはっきり批評され、それは当たり前の事なのですが、それまできちんとした批評を受けた事がなかった学生には、新鮮な体験でした。
褒められた事も、またおもしろくないと言われた事も、勉強になりました。
先生の厳しさは、私たちを作家のたまごとして見て下さっていたからだと、今になって思います。先生は、学生である私たちに「この大学には、作家を探しに来ました」とおっしゃいました。まだ何者でもなかった私は、その一言で、俄然やる気になりました。何者かになれる資格が自分にはあるんだと思いました。川村先生の言葉は、魔法の言葉でした。これが、なかなかとけない魔法なのです。(笑)
魔法にかかったまま十数年。何者かになれるのだと信じてきて、今、わたしはやっと「作家」と呼ばれるもの(まだまだひよこですが)になりました。先生、魔法をかけてくれて、ありがとうございました〜

駅から告別式場まで行くタクシーに、たまたま同乗したご婦人は、先生の小学校教師時代の教え子さんでした。私なんかが産まれるずっと前に、すでに先生は先生で……当時、小学生だった女の子は、今はすてきなご婦人なのでした。(本当にすてきな方でした)
小学校の時の先生の告別式に、遠方から駆けつけられたなんて、すごいなあと思いました。もしかしたら先生は、あのご婦人にも、何か魔法の言葉をかけられたのかも。

帰り。うっし〜さんと二人で、天王寺でランチしました。
式では、久しぶりにお会いした方がたくさんいらしたのですが、みなさん散り散りに帰られ、ちゃんとご挨拶出来ずの方も。すみません。
またいつかみなさんと、川村先生を偲んでお酒を飲ませて頂きたいです。先生は、お酒が大好きでした。
よし、今晩は、一人で熱燗でも飲みましょうか。
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by honnara-do | 2010-02-03 20:25 | もの | Trackback